リトアニアのリネン

リトアニアのリネン

バルト海沿岸に並ぶバルト三国の中でも広大な土地を持つリトアニア。バルト三国の中でも特に自然が多く、人口は300万人程の、とにかく穏やかな小さな国。かつてはリネンの原料(フラックス)の生産地でした。

現在は原料を主にフランス・ベルギーから輸入して、紡績(糸を紡ぐこと)〜機械織りの過程を行なっている工場が国内にひとつだけ残っています。その貴重な環境でつくられたリトアニアリネンのマルチクロス。今は織るのは機械ですが、準備はすべて作業。100本以上の経糸が職人さんの手で張られています。

ベージュのクロスは100%リネン。ブルーのクロスはリネンが緯糸、コットンを経糸に使用したもので、このふたつを愛用しています。どちらもほどよい厚みがあるので、ダイニングのテーブルに敷いて、ちょっとした小物を置いたりインテリアのアクセントになるデザイン。

リトアニアリネンはネップと言われるリネン独特の節(ふし)が多かったり、
吸湿性を高めるために不均一に厚く織っていく伝統の織り方など、ある意味粗野な表情が特徴です。


高級なアイリッシュリネンのように、細い糸で緻密に美しく織りあげる気品の高いリネンとはまた違った、
日常使いに適した素朴さ、タフさがなんともいえない魅力。リネンは腰が強く丈夫な繊維でもあるため、長持ちで使うほどに風合いが増し、くったりとして生活に馴染んでくるような気がします。

リトアニア国内には伝統工芸として、リネンの手織り職人さんが多くいるので、いつか工房も訪れてみたいと思っていたり。