エストニアの手編み靴下

エストニアの手編み靴下

エストニアは北海道よりも北に位置しているため、冬は長く、訪れた3月もまだ雪が降っていた記憶があります。

バルト海に面しているエストニアでは、冷たい漁に出る男性たちが冬の寒さをしのぐために生まれたニット製品。

エストニアの伝統的なニットは、通常のニットよりも毛糸が細く、硬く編み込むのが特徴です。

現在では昔ほど硬くありませんが、糸と糸の隙間が小さくなっていて、風を通しません。

この手編みの靴下もしっかり編み目が詰まっていて、ウールの暖かさが寒さから守ってくれます。

エストニアの首都、タリン旧市街の城壁には「セーターの壁」と呼ばれる場所があり、ニット製品を売る屋台がたくさん並んでいます。

白樺のボタンが付いているところが一目で気に入って、購入しました。

エストニアの女性たちは古くから、家族のために厄除けと幸運など、様々な祈りをこめてニットを編んできました。

1991年、ロシアからの独立後、エストニア文化が復興する中で、伝統的な手編みニットの人気があらためて高まりました。

他の北欧諸国とも違う、エストニアならではのオリジナルなデザインも少なくありません。

一度なくなりかけた工芸技術が、こうして復活して守られている景色が尊いと思います。